遺言を取り消された
遺言は書いたご自身の気が変わった場合、自由に変更をしたり、取り消すことが出来ます。
この場合、ご自身の判断能力に問題がなければ、トラブルに直結するとは言い切れません。
一方で、遺言書を書くご本人が意外と知らないのが、相続人が全員合意すれば、遺言書の内容に従わなくても良いということと、実際に遺産分割協議をやり直して、遺言書と異なる方法で相続をすることが少なくないということです。
というのも、遺言書は相続税の計算、遺留分の計算、納税資金のことまで考慮して作られていないことが多いため、いくら遺言者がそう望んでいても、相続人全員が好ましくないと感じることが少ないということなのです。
死因贈与の仮登記
そこで、より実行に強制力を持たせる方法として、「遺言執行者をつける」という方法は既にご提案しました。
ここでは、遺言ではない、「死因贈与契約」であれば、さらに強制力が持たせられるということを解説したいと思います。
死因贈与契約は遺言と似ており、生前にあらかじめ財産を贈与する契約を結んでおきます。
遺言では財産を贈ると指定された人がその事実を知らないこともあり、遺言者が死亡して遺言の内容が明らかになってから相続すべき財産が指定されていることを知ることがあります。
死因贈与契約では財産を贈る側(贈与者)と贈られる側(受贈者)がお互いの合意の上で契約することに意義があり、贈与契約の効力は贈与者の死亡によって発生します。
お互い合意をしていて、契約書も交わしていれば、より契約内容を実現しなければならないのは言うまでもありません。
贈与契約が実際に発生するまで何年、あるいは何十年とかかる場合があるので必ず契約書を書面で作成します。
贈与契約の対象となる財産は不動産が多いようです。
この場合は死因贈与契約書に基いて、贈与者の死亡後に不動産の所有権移転登記を行うことになります。
贈与をする財産が預貯金、有価証券等の場合は死因贈与契約書に基いて名義変更の手続きを行います。
死因贈与契約を結ぶ際にも契約の執行者を決めておいて、実際に契約の効力が発生した後の財産の名義変更等の手続きを依頼することもできます。